3月23日(金曜日)、テケの発案で六本木のフランス料理店「ブーケ・ド・フランス」でアルザス地方の家庭料理ベックオフ(Beackoffe)を食べながら次回の旅行の相談会をする事になりました。日頃は何だか多忙な4人なのに、急に決めた割りには御縁があったのでしょう、全員が揃いました!
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フランス料理店と聞くと格式高いお店と思いますが、ブラスリー程ガヤガヤしてなくて、こぢんまりした家庭的なお店で、原田マダムが又、個性的で威勢が良くて全員この店のファンとなりました。 |
旅行相談会が主な目的ではなく、テケがアルザスの有名な鍋料理 ベッコフ(又はベックオフ)を季節が終わらない間に是非食べたい・・・と言うことで、都内でベッコフが食べられる店を探してくれました。
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これがベッコフ(Beackoffe)。 ベッコフに欠かせない物・・・それはまずこの地方の誇る白の辛口ワイン リースリングと3種類の肉(豚、羊、牛)。アルザス地方ではどこの家でも絶対代々作り継がれていて、豚はテールと足が出汁を濃厚に出す為には欠かせません。この肉を一日リースリングに漬け込み、そして小麦と水で造る堅い棒状のペーストで鍋の蓋と鍋を密閉させてオーブンで2時間~3時間蒸し煮にします。漬け込んだ肉を、厚めにスライスしたジャガイモと玉葱でサンドにして、蒸し煮している間にリースリングと肉から出た旨みをジャガイモと玉葱にたっぷり吸わせるのがこの料理の特徴です。 |
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棒状ペーストがオーブンの中でカチカチになっているので、それを叩き割って蓋を開けると御覧のようにホクホクになって旨みを吸い込んだジャガイモと肉たちが現れます。 |
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原田マダムが豪快に料理を取り分けてくれました。この鍋は二人前でしたが、たっぷり入っていたので私達4人はお腹一杯食べて、そして身体がホッカリ温まりました。 その前に原田マダムの前もってのアドバイスとして、一鍋でたっぷりあるから、女性4人ならスタートに前菜を1人ずつ食べれば一鍋で充分との事で、前菜を数種類頼みました。 |
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まず「野菜のテリーヌ」。アルザス地方(中心地はストラスブール)は気取らない料理をたっぷり目の量で出すみたいで、この野菜のテリーヌもこれで一人前ですが、ガッツリ大胆な形状をしていました。ラタトゥイユの材料をテリーヌ型に仕上げた物です。テリーヌの下にはタプナード(オリーブ・アンチョビ・ケッパーを叩いてオリーブオイルで仕上げたソース)を敷き、皿の周囲にオマール海老をバジルソースで和えたピストーが付いていました。 |
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次の前菜は「4種類のトレビスにイベリコ豚の生ハムと帆立貝をアクセントにしたサラダ」です。4種類のトレビスが新鮮で甘く、ほろ苦く、ドレッシングの味と良く合って大変美味でした。少ししか入っていないイベリコ豚の生ハムも帆立貝のマリネーも材料の質が良かったので、アクセントとしての役目を立派に果たしていました。 |
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3つめの前菜は「桜海老のクロックムッシュ」。多分桜海老は日本ならではの素材ですから、ここのシェフのオリジナルと思いますが、美味しく出来上がっていました。ベシャメルソースに混ぜた桜海老がふんわり、こんがり、まろやかでグリエールチーズと共に上品なクロックムッシュで胃袋の弱い日本人にとってはリーフサラダと共にさっぱり、ふんわり、海老のまろやかな甘みと共にスルリとお腹に収まりました。 |
前菜を食べ終わった時点で、辛口のまた会メンバーはこの店が気に入り、テケのチョイスに賞賛しきり。私達の会話を漏れ聞いた原田マダムも気を良くして、その後のベッコフの料理を出す頃には、他にお客が居ない事を良いことにお互い言いたい放題、写真もパチパチ撮って和気藹々。やがてデザートへと進みます。作るのに時間を取る、と言われた、おすすめのこの店ならではのデザートを2種類頼みました。
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一番目はアフリカのチュニジアの春巻き風デザート。金柑のコンフィチュールにバナナのソテーを巻き込んで揚げた春巻き(皮がチュニジア風)とサフランのアイスクリーム。 |
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二番目はフランスのデザートですが、「バシュラン」と呼ばれる珍しいデザート。メレンゲでラム酒のアイスクリームをサンドにして、円柱状にし、周囲をホイップした生クリームで包み、プラリネをまぶしたこの形をバシュランと言うらしいです。これは中々美味でした。 |
さて、アルザスのベッコフは、みつ和にもアルザス地方で最も有名なワイナリー「ヒューゲル家」のオーナーが来日した時、それを記念して行った「ワインの夕べ」で川端清生シェフが作りました。本場のヒューゲル氏に食べてもらうので、リースリングは氏が持参した最高のリースリングを使い、そして絶対欠かせない豚足もテールも入れて、丸一日漬けておいたので、濃厚で香り立つベッコフが出来上がり、参加者には大好評でした。その時の作り方を川端シェフがブログに残しているので見て下さい。
http://chefsk.blog115.fc2.com/blog-entry-155.html
リースリングはニューヨークで近年食前酒としてマティーニに替わって若い世代に流行しているワインで、ドライですが、辛いより甘くて豊潤でワインに弱い私でもとても美味しいと感じました。
ベッコフの決め手はやはりリースリングと豚足です!
Googleで「フランス アルザス 家庭料理 ベックオフ」と検索すると色々楽しい記事が出て来ます。
写真は全て今尾範子ちゃん御提供。
ブーケ・ド・フランス
http://www.bouquet-de-france.com/wp/