前から三列目のお席でした。 |
外から見ると以前の特徴ある桃山様式の古式ゆかしい歌舞伎座と全く同じに見受けられます。 実は同じでした。設計を頼まれた建築デザイナーの隅研吾氏は役者さんが演技する上で、 元の寸法通りの建物がベストである事を理解して、柱や絨毯の色まで変えないで、 元のままの雰囲気でした! |
一年に一度、11月の顔見世興行の時だけ組まれる櫓も、 開場柿葺落興行なので組まれていました。 紫の幕に染められている紋は法隆寺の宝物「鳳凰円文螺鈿唐櫃」から採用された 株式会社 歌舞伎座のマーク「鳳凰丸」です。 |
新歌舞伎座(明治22年に最初の歌舞伎座が出来てから、漏電で焼失したり 関東大震災にあったり、第二次世界大戦の東京大空襲で消失したりと何回も建て替えを余儀なくされて、 これは第五期の新生歌舞伎座です)開場は、4月の東京の一大ニュースですから、 常に人々が沢山集まり、注目を集めていました。 |
建物は元通りの様子ですが、新歌舞伎座の新しい特徴は、地下鉄の東銀座駅から直接 3番出口を抜けると歌舞伎座の新しく出来た地下の「木挽町広場」に出られて、まさにそこに 今まで館内に店を構えていたお弁当売り場やお土産売り場が移って、切符を買わずに そうした物を一般の人々が購入出来るシステムになった事です。 以前は短い幕場の忙しい買い物でしたが、今はゆっくり時間を掛けて吟味出来ます。 |
又、地下鉄からエスカレーターを上がった正面玄関の横に 「歌舞伎稲荷大明神(お稲荷さん)」が出来ていました。 |
正面玄関の脇には、その月の演目がきらびやかな錦絵で表示されています。 若い人も沢山、歌舞伎に興味を抱くようになりました。 |
4月の演目はこれです。 4月2日(火)初日、4月28日(日)が千秋楽です。 私は第二部(午後2時40分開演、午後5時20分終演)の 「弁天娘女男白波」と平将門の娘の滝夜叉姫の「忍夜恋曲者」を見物しました。 玉三郎演じる滝夜叉姫は、昔、日本舞踊を習っていた私も明治座で演じた役なのでとても楽しみでした。 |
話題となっていましたから、連日大入りの盛況で、後ろの「大関」寄進の酒樽の縁起飾りに 「大入袋」がデカデカと掲げられています。 |
ここで娘の英里と待ち合わせですが、彼女は一向に現れません。 せっかくですから、デジカメ慣れしているお若いカップルに一枚撮って頂きました。 だから私はちょっと恥ずかしそうな顔をしています。 |
これが歌舞伎座の二階席から見た劇場内部の全景です。少しも以前と変わっていませんでしょう? 役者さんは見栄を切る時、「二階席の右から何番目の提灯を見て」とか言うように お稽古の時先輩から指導を受けて長年やってきたので、寸法が大事なんだそうです。 |
2階ロビーの店々も1階のロビーの店々もなくなり、その分バリアフリーになったり、 トイレが増設されたり、旧来の歌舞伎座の問題点が改良されています。 店がなくなったのでちょっとした売店で軽い食事を売っていました。 |
無事買う事ができましたが、焼きが間に合わなくてからっぽのケースの前で出来上がりを数分待ちます。 アツアツを頂きました。 |
歌舞伎座の中に店を構える「吉兆」も この新生歌舞伎座に以前より広々としたスペースを取ってオープンしていました。 |
オープンを祝っての松花堂を頂きました。 |
この様に一口の「お赤飯」も付いていました。 |
刺身の造りは「寿」をあしらった、勿論、鯛でした。 新鮮でプリっとして美味でした。 |
全て「寿」のオンパレードです。 |
勿論、敷紙も扇面に松竹梅と丹頂鶴の「お目出た尽くし」。 |
嬉しいことに旬の新筍の含め煮もありました! |
かくして楽しみにしていた私の歌舞伎座の柿葺落四月公演は満足の内に終わりました。この柿葺落公演は毎月花形役者さんを大勢揃えて丸一年行われるそうです。私もとりあえず五月と六月、お気に入りの演目を見物する予定です。