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2012年11月8日木曜日

栗林公園から鳴門海峡、大塚美術館まで@徳島県

※クリックで写真は大きくなります


金比羅歌舞伎を見物に出掛けた「また会」4人組は、旅程表にあるように、翌日のフリータイムをタクシーを一日チャーターして、香川県から徳島県へと観光しました。今日も又「晴れ女」ワンちゃんの威力でピーカンのお天気です!

まず向かった先は、香川県の県庁所在地である高松市にある「栗林公園(りつりんこうえん)」です。ミシュランの観光部門で三ツ星(わざわざ訪れる価値のある場所)を獲得していて、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデン」でも日本の三大庭園に挙げられている程、外国人に人気の高い公園です。(ちなみに他の2園は島根県の足立美術館と京都府の桂離宮)

栗林公園案内図



栗林公園は1642年に領主となった松平頼重(水戸黄門の兄)が造営を始め
その後の松平家5代100年をかけて完成した大名庭園。
紫雲山を借景として6つの池と13の築山を巧妙に配した回遊式庭園で、1953年に国の特別名勝に指定されました。


広さは約75ヘクタールで、特別名勝に指定されている庭園の中で最大の広さです。
ちなみに昨日参詣した金比羅様の365段目(一年の日数と同じ)にあった大門は松平頼重公が寄進したもの。
水戸から高松藩主として入封した初代なので、やはり色々気を遣うんですね~。

この庭園は松を中心とした庭で、その手入れの見事さにびっくりしました。

今日一日案内して下さるタクシー運転手の上原さん。
東京の明治学院大卒のインテリで、説明ももの柔らかく、4人とも大気に入りとなりました。

右のお椀を伏せた様な山が、借景にしている紫雲山。

これは金比羅様の内にある建物のミニチュア版だそうです。

見渡す限り松・松・松。

秩父宮(大正3年)。イギリスのエドワード・アルバート皇太子(大正11年)、良子女王(大正13年、昭和天皇の皇后)等々の殿下がお手植された松。100年近く経過しているので、こんなに大きく立派に育っていました。

この庭園のシンボル「鶴亀松」

「棚」と呼ばれる松林

その裏側は網目の様に美しく枝が作られていました。

そろそろ紅葉も始まっていました。日暮亭です。

西湖に面し、紫雲山の麓にある石壁(赤壁)

これは南湖です。鹿児島の島津家から寄贈された見事な蘇鉄も植わっていました。

南湖畔にある掬月亭。入園の時に運転手さんに勧められてお茶席券を購入しておきました。


掬月亭入場券

掬月亭から眺める立派な枝振りの「根上がり五葉松」。こんなに大木の五葉松を見たことがありません!

掬月亭内のお茶席で御抹茶セットを頂きます。

栗林公園ですから、昔は北門付近に栗林がありました。
鴨猟の邪魔になるから伐採されて、今は存在しませんが、こうして献上栗として銘菓になっています。

大変美味しく頂きました。

しばし休息。坪庭に植えられている根上がり五葉松を眺めています。

茶席から南湖を眺めていると、船頭さんが櫂をさして漕ぐ船に船遊びのお客さんが乗って楽しんでいるではありませんか。そんなサービスもあるんですね~。

結婚披露宴や各種宴会もここではやっているようです。
県立だから文化財を有効利用して公共の福祉に供しているのでしょう。

後方が広い南湖です。

「吹上」とあるのは、この庭園内に巡る池や湖の水源となっている湧水の場所です。

そして東京ドーム16個分の広大な庭園の一番高い所、飛来峰から南湖の全景を眺めました。
運転手さんが要領良く短時間でグルリと案内してくれて、ここまで辿り着きました。

記念撮影にはmustのポイントです。

香川県に別れを告げる前に、本当のコシの強い讃岐うどんが食べられる、と運転手 上原さん御推奨の三大上等讃岐うどんの店 屋島の「郷屋敷」でお昼を頂くことにしました。

大庄屋の旧家を移築したので立派な建物でした。

せっかくでしたから、料理が出てくるまで邸内や庭を見て歩きました。

揚げたての天ぷらがのった本場のぶっかけの讃岐うどん。噛み切れないほどのコシがあるうどんで、大変美味しく頂きました。1500円。
普通のぶっかけが300~400円の土地柄ですから高いのでしょうか? 
東京からみたら注文があってから揚げる海老2本にお魚、お野菜の天ぷらがのって
この立派な屋敷で頂くことを考えるとお安いです。

メニューのデザートも美味しそうなので頼みました。これは焼きリンゴにミルクのムース。

もう1つのデザートはここの名物のアイスクリーム。どちらもやはり美味でした。

昼食後、高松道路を一路ひた走って鳴門の渦潮の満潮時間に間に合うように鳴門海峡を目指してドライブです。

鳴門ハイウェイから眺める瀬戸内海。

そのビューポイントで記念撮影。天気も良し!最高に気持ちの良い眺めでした!

この高台から海峡を眺めると鳴門大橋も見えます。

沢山の釣舟が出ていました。

さて、今日の渦潮が一時間だけ見られる中潮(大潮は年に2回だけです)の時間になったので、観潮船「わんだーなると」に乗り込みます。13:40~14:40までが今日の渦潮のピークです。

わんだーなると 乗車券

観潮船「わんだーなると」は鳴門大橋へ向かっていきます。
この橋は瀬戸内海と太平洋の丁度境界に建設されていて、そこが渦潮の出来るポイントなのです。

渦潮は瀬戸内海と太平洋の潮位が満潮の時、最大2mある為に潮が渦を巻く事になり出来る現象です。
普段はこの様に海面は静かです。

やがて満潮時間になると、海面が荒れて来ます。

いよいよ渦潮が出来る予兆もピークになって来ました。
鳴門大橋は2層の造りで、上層は自動車道、下層は人の歩く歩道になっていて
そこから下の渦潮見物が出来るので「渦潮の道」と呼ばれています。



あっちでもこっちでも海面が荒れ狂って渦が次々出来ます!

範子ちゃんが見事に撮った「渦潮」の写真です!

これはワンちゃんの作品。
今日は中潮で海面の落差が1m位でしたが、大潮の時は2mにもなるのでこの渦は長径20mになるそうです。


大潮


緊張してカメラを構えて渦潮を撮影していた所為か、自然の「渦潮ショー」はあっと言う間に終わり、
再び海面は何事も無かったかの様に静かになりました。

再び陸地に上がり、運転手さんが「千畳敷」と呼ばれる鳴門大橋の袂まで私達を連れて行ってくれましたが、やはり渦潮ショーは終わっていて、静かな海があるだけです。

始終ここを通る運転手さんも、本当にすごい渦潮はまだ2~3回しか見たことがない、と教えてくれましたが、「鳴門の渦潮」はあまりにも有名なので一年中見られるのかと錯覚していました。JTBが「潮見カレンダー」を元に今日の観潮船の予約をしてくれたので、私達も中潮ながらこの晴天に恵まれて渦潮を見る事が出来、とても幸運でした。私達の後の観潮船に大勢で乗り込んだ、あの団体さんは静かな海と立派な鳴門大橋を見るだけだった事でしょう…。




さて、徳島県にはもう1つ名所がありました。「大塚国際美術館」と言って、大塚製薬が400億円の巨費を投じて世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する至宝の西洋名画1000余点を実物大で陶板に焼き付ける事に成功し、地球環境の変化により劣化を免れない名画を今後2000年はそのままの色と姿で残せる、世界唯一の陶板名画美術館として協力した美術館から賛辞を頂いている素晴らしい、見応え(みごたえ)のある美術館です。ワンちゃんはこれを見る為に数年前、3泊でわざわざ徳島へ来て、この美術館で一日半過ごしたそうです。



鳴門大橋からドライブで約10分程度の鳴門海峡に面した風光明媚な場所に敷地面積約2万坪、延べ床面積8897坪の大塚国際美術館はあります。1998年(平成10年)の開館。竹中工務店の施工による立派な美術館でした。

世界中の名画が実物大で展示されていますから、どこの美術館より延べ床面積が広いのは当たり前ですよね。
カタログを見ながら見たい名画を捜して何度も迷子になりましたっけ!!

玄関から展示室まで一気に上がれるエスカレーターにも目も眩む程圧倒されました。

ヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの「最後の審判」。この春、私は地中海クルーズでローマを訪れ、本物に接したばかりでしたが、本物のシスティーナ礼拝堂と同じ大きさに作られているのにビックリ。特に陶板という硬い版を天井のアーチに合わせてある技術に驚きました。

最も有名な「アダムが神様に生命を注入されている場面」。この指先がマグカップになってヴァチカン・ミュージアム・ショップでお土産として売られていて、私も記念に買い、毎朝紅茶を飲んでいます。

平たい陶板を天井のカーブに合わせて嵌め込んであります。何でもなく見えて大変な技術です。1300℃で焼くタイルは1㎡の大きさでは歪みのない1枚を作るのに20枚のうち1枚、と言うのが世界の常識。それがここ大塚オーミ陶業では20枚のうち20枚を歪みなく焼けるそうです。陶板を繋ぎ合わせているのに一分の隙間もありません。そして焼き付ける色絵の具の色は20,000色!! これだけの色を開発するのが大変な苦労だったそうです。

打って変わってここはポンペイの遺跡に残る壁画「秘儀の間」。
ベスビオス火山の火山灰に埋もれて発掘されたままの商人の家が再現されています。

他の団体に説明していたこの博物館の学芸員を私達は知らない間にハイジャックしていました(笑)。

ジョットー画「スクロヴェーニ礼拝堂」。最も高価なラピスラズリから作り出した「青」がふんだんに使われています。そして天井の見事なアーチ。

20,000色から正鵠に選ばれた色。

そして美しい印象的な青。

ボッティチェリ画の「ヴィーナスの誕生」。これも今年春のクルーズでフィレンツェのウフィッツィ美術館で見てきたばかり。

同じボッティチェリの「春」。ウフィッツィ美術館でも一対で飾られています。1人ずつ記念撮影。

ワンちゃんも。

範子ちゃんも。

せっかくなのに「目に焼き付ける派」で写真を撮らないテケの記念写真がないのが残念!!

世界の名画では外せないダヴィンチの「モナリザ」

ダヴィンチの「最後の晩餐」を修復前と修復後を同時に展示出来るのも「陶板美術館」ならではの誰にも出来ないメリットです。比較検討出来る楽しみはここだけです。同じ企画で修復前と修復後を並べて展示している作品が何点かありました。

面白い企画は、キリスト教信者にとって大事な聖書の一文「受胎告知」が世界中で沢山の画家によって絵画になっていますが、その主な作品達を一同に並べてある部屋がありました。
これはフラ・アンジェリコの「受胎告知」。これは私も数年前にフィレンツェの教会で見ました。

これは別の画家の「受胎告知」

このラファエロの「聖母子」もウフィッツィ美術館で見ました。この様に額縁までそっくりを使っていて、見る者を失望させません。

最初は「陶板名画???」と本物指向の美術愛好家には敬遠されがちですが、実際見てみるとその技術とその制作態度の真摯な姿に敬服の念を持ちます。

こうして私達の「また会」の旅も2日間を目一杯使って充実した旅、楽しい旅となりました。予定通り上原さんに徳島空港に送ってもらい、19:40発のJALで無事羽田に到着。テケはそれからマイカーで軽井沢へ、私達は京浜急行で家路につきました。



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